労働組合の活動とは

このページではバス運転手の日常について、本業のバスの運転以外に直面することになる労働組合の活動について書きました。
労働組合の活動は一般の方になじみの深い春闘やストライキなど給料を増やす目的のものばかりではありません。
参加して初めてわかる面倒なことばかりです。以下では私の実体験を元に組合活動の知っておくべき実態を説明します。

選挙協力を強制される

日本における労働組合は大半が民主党(現民進党)、または社民党の支持母体となっています。この二つの政党が労働者の声を国政に届けようとして結成されたものだからです。なので選挙のたびに協力を要請されます。具体的にはポスター貼りや集会やデモへの参加など。国政選挙だけではなく地方選挙もあるので回数は多いです。
こういったものを総称して「動員」と呼ばれます。
私は民主党幹部議員の演説は何度も聞かされてウンザリしています。
[2016年7月に追記]
民主党は維新の党などとの合流で「民進党」と名称が変わりました。
しかし労働組合が支持母体であることなどは大きな変化はなく、今後も組合員は協力を求められていくでしょう。
選挙への協力は強制的です。2016年7月の参議院議員選挙に鉄道・バス系連合組合の私鉄総連から組織内候補が立候補しました。あえて名前はここには書きません。比例のみでの立候補なのでポスターなどもほとんど見かけないので一般への知名度は非常に低いです。
今回の参議院議員選挙には非常に熱が入っていて私は労働組合から次のことを強制されました。

  • 支持者名簿に名前を書かされる
  • 支持者名簿に家族・親戚の名前を書かされる(最低5人分は書けと命令されました)

この支持者名簿には名前の他に住所と連絡先も書かされているのでハガキや電話も来ました。
また、投票日(7月10日)の勤務を調べられて「お前はこの日は勤務か。なら選挙には期日前投票に行けよ。この人の名前をフルネームで書け!」と言われ、ほかの同僚は「お前はこの日は休みだから必ず選挙に行けよ。そしてこの人の名前をフルネームで必ず書け!」と言われていました。これはもちろん全員が言われていました。
私鉄総連の組合員が全員投票すれば必ず当選できる。そうすれば世の中は変わるんだ!と声高に叫んでいます。
これ以外にも決起集会や街頭演説のサクラへの参加を強制されているので休みは結構つぶされました。
もちろん全員「どうせ落選でしょ」と陰口を言っています。

動員はほぼ強制参加

動員には強制的に参加させられます。動員を断ると非常に風当たりが厳しくなります。
組合の幹部に目をつけられるとろくなことはありません。会社と組合は裏ではつながっていますから。
選挙での動員の場合、どうしても参加できない人もいます。家族や親戚に議員がいたり、宗教上の理由などでほかに支持政党を持つ人もいます。こういったしがらみのある方は組合への参加(組合のある会社への転職)はよく考えてからするべきです。
前述の通り組合に加入すると選挙協力は強制なので「自分は支持政党が決まっているので」なんて断った場合は嫌なら会社辞めろと怒鳴られます。組合に加入した以上はその時点で支持政党を変えるように強制されます。
はっきり言って憲法にも違反している状況です。表向きは民主主義なので任意で、ということにしていますが、どう見ても強制しています。

入社したら必ず組合員になる

日本ではほとんどの組合組織がユニオンショップ制という方式です。簡単に言えばその会社の社員と組合員はイコールの関係ということです。つまり入社したら必ず組合に加入しなくてはならないということです。
前述の通り選挙協力もさせられますから転職をする際は労働条件以外にも組合の有無にも気をつけましょう。

デモ、署名、カンパもある

選挙とは関係のないデモも頻繁に参加させられます。最近は原発再稼動反対や特定機密保持法反対が特に多いです。(要するにサクラです)
場所は大きい公園が多いです。デング熱騒ぎで閉鎖になっている代々木公園もしょっちゅう会場にしています。こういった動員のほかにも署名、カンパが多いです。
署名、カンパの場合は休日をつぶされる心配はありませんが政治的なしがらみのある人は特に嫌がります。氏名と住所を書かされ、政府機関に提出されるので記録が残ります。場合によっては家族(両親や兄弟も)の名前も書かされます。自身の政治思想と違う活動を強要されるのです。
以前オスプレイの配備に反対する署名をさせられた時は「兄が自衛隊の幹部職員なのでこれには署名できません」と言っている同僚がいましたが最終的には泣く泣く書かされていました。本当に強制ですよ。
なぜこんなに必死に活動をさせられるのかというと上部組織からの圧力があるからです。鉄道、バス会社の場合は「私鉄総連」という連合組合があります。そこに加盟して上からの指示で「人を集めろ」と言われているのです。

労働組合の役割とは

労働組合の役割とはいったい何なのでしょうか。何を根拠に幹部らはこんなに威張るのでしょうか。
はっきり言って本来の役割である、労働者の代表として会社と交渉したり不当労働の監視といったことはほとんどしていません。

労働組合は社員のまとめ役

労働組合は社員をひとつにまとめるために存在しています。こういえば聞こえは良いかもしれませんが、会社に個々で逆らわないようにするためです。
大きい会社であれば社員一人ひとりに目が行き届きません。「組合が社員の意見を集約する」という名目でまずは組合に話を通させる。その後会社と結託し落としどころを見つけて一件落着です。まるで海外ドラマのマフィアと警察みたいですね。春闘なんかもこんな感じです。ベースアップ無しってやる前から決まっているんです。
だからストライキなんかやるわけないんです。日本の場合は売り上げさえ上がれば給料も一緒に上がるだろう、だから売り上げに貢献するのが一番の組合活動なんだという姿勢の組合が多いです。はっきり言ってこれじゃ会社側の都合がいいし、組合の存在価値は無いですよね。

組合が会社の盾となる

労働組合員は団体生命保険に入らされます。全労災はこれで儲けています。
従業員に万が一のことがあった場合はもちろんこの団体保険からわずかな保険金が出ます。しかし会社としての補償はありません。(労災として認められるにはかなりハードルが高いです)労災で怪我や死亡した場合でも会社は知らん顔、というわけです。労働協約でも団体保険でのみ補償と決まっている会社が多いです。
つまりは万が一のことがあっても組合が全労災でわずかな保険金を出すから会社には責任を求めるな。ということです。組合が盾となって会社を守っています。
他のページでも書いていますが、私の同僚が一人亡くなっています。死因は会社が認めていないので正式には過労死とはされていません。持病で亡くなったことにされました。遺族は裁判すると言っていましたが「医者の診断書も出ているし、勝ち目はないよ」と一生懸命に訴訟はやめるように説得していたのは組合の役員でした。(持病での死亡と診断書を書いたのは会社の産業医です)この件で組合なんか会社の言いなりだなと思いました。

専従役員の任期後

労働組合本部で組合活動だけをする役員を専従役員と呼びます。大体のパターンは任期中おとなしく会社の言いなりになった専従役員は任期が終わると出世します。本社にはいわゆるご苦労さんポストがあって、元専従役員ばかりの部署がたいていあります。組合が手なずけられているいい証拠です。
また、元専従役員を飼い殺しにする目的もあります。元専従役員は会社の内情などを分かっている場合が多いです。こういった者を現場に戻すとほかの社員に対し会社の内情をばらしてしまう、布教活動を行う恐れがあります。なので即座に本社勤務にして現場の人間と接触させないようにするために出世させるのです。この出世が目当てで専従役員をやりたがる人も当然います。

組合加入のメリット・デメリット

労働組合への加入自体は強制的なので会社選びの参考としてください。

組合員のメリット

  • クビにされない
  • 有給が取れる
  • 会社に意見できる
  • 不当な命令を拒否できる
  • 立候補して当選すれば自分も組合役員になれる

    (と言うことに建前上はなっている)

組合員のデメリット(全て強制)

  • 休日を動員でつぶされる(もちろん無給)
  • カンパや組合費の搾取でお小遣いが減る
  • 労働金庫に口座を作らされる
  • 全労災の保険に入れと強要される
  • 署名で個人情報がダダ漏れ
  • 自分の政治思想と違うことを強要される
  • 強制的に民主党(現民進党)支持者にされる(もはや憲法違反の領域)
  • 会社との戦いと言う茶番劇を目の当たりにする
  • 最終的には会社の肩を持つので守ってくれない

    ほかにも書ききれないほどいっぱい。デメリットばっかりです。

*一応まじめにメリットを書きますが勤め先に組合があると住宅ローンの審査はOKになりやすいです。
以上、バス業界の労働組合についてお伝えしました。