ドライブレコーダーはどこを映しているか

近年ドライブレコーダーの普及が急速に進んでいます。
ドライブレコーダーとは車載カメラとも呼ばれ、その名の通り走行記録を録画し、記録しておくものです。自家用車に取り付けている方も増えてきています。
自家用車の場合は撮影しているのは主に車外のはずです。交通事故が発生した際の証拠とするためです。
バスの場合は車内にも数台のカメラが設置されていて運転手もしっかり映っています。音声も全て録音されています。
これは設置の目的が交通事故の証拠保全だけではなく、接客トラブル防止でもあるからです。

設置の理由の本音と建前

以上が一般的なバス事業者がお客に対してドライブレコーダー設置の目的として説明しているものです。
個人情報保護法やプライバシーに配慮しこの目的以外では録画の記録を使用しないといった掲示物がバス車内にはられています。
しかし実際には公表していない目的で使用されることもよくあります。その多くは運転手の監視のために使われます。
会社側からすれば勤務態度の悪い運転手の指導に使える上に不祥事の発生防止に役立ちます。
見張られている側からすれば人権問題です。この事実を告発すべしと思いこのページを作成します。

運転手にメリットの部分もある

運転手がドライブレコーダーに助けられることもあります。
特に車内事故発生時には事実認定に役立ちます。ドライブレコーダーがない場合は車内事故は被害者側の自己申告だけで事故が成立してしまう場合が多くあります。
(詳しくはバスの車内事故は責任重大をご覧ください。)
しかし録画した画像が証拠としてあれば本当にバスの責任で怪我をしたのか、自分の不注意で転んだのではないか、など本人の過失の有無を確認できます。

接客トラブルの防止

接客トラブルの防止に関しても役立ちます。以前はお客からの言いがかりに対しても運転手はなす術がありませんでした。お客と運転手の言い分が食い違えば正しいのはお客とされました。これは接客業のつらいところですね。
(苦情に関する解説はバス運転手には接客態度が必要をご覧ください。)
言葉使いや態度、接客態度に関する苦情は日常茶飯事で明らかな言いがかりも多くありました。
運賃の支払いに関しても証拠があればすぐに解決します。
こういったことが運転手にとってのメリットで、ドライブレコーダーの設置を運転手(労働組合)に納得させるために会社がよく説明することでもあります。

本来の目的以外の使われ方

ドライブレコーダーの設置は多くのバス事業者では労働組合の決議によって実行されているでしょう。
事前の説明では運転手にとってのメリットの部分ばかりを説明していたはずです。「運転手を指導する目的では絶対に使わない」と口約束していました。それならばと言う事で設置に同意していたわけです。
しかし運用が始まると本当に約束は守られているでしょうか。確かにトラブル解消のための大きな手助けになっています。ですが運転手を監視するためのほうが役割が大きい場合がほとんどです。

接客態度のチェックと不祥事の証拠保全に使われる

例えば接客態度のチェックです。
これまでは覆面調査員がチェックしていました。これは「添乗指導」、「外部添乗」などと呼ばれています。
これだと外部委託なので費用が発生します。
現在ではカメラが一挙手一投足を監視しています。
また、運賃の着服や誤運行、行路逸脱(道を間違えること)などはこれまではお客からの通報などによってのみ発覚していました。ドライブレコーダー設置後は見ればすぐにバレてしまいます。
なので運転手の不祥事は件数が減りました。これらは一見するといいことのように見えるかもしれません。接客サービスの質が上がり、不祥事が減っているのであれば。
しかし働く者の立場からすれば、奴隷や囚人にでもなったかの気持ちです。はっきりいって人権問題といえます。
一部の公営バス事業者では運転手の姿を録画するのは人道上好ましくないとされ、運転手の姿は映らないようにカメラの位置を調整しています。
これならば本来の目的の通りに使われています。しかし民間のバス会社のほとんどは従業員に対しそういった配慮はしていません。抜き打ちでドライブレコーダーを見られて勤務態度が悪いなどとちょくちょく怒られます。気楽なはずのドライバー稼業が監視の下で勤務することになります。こんな環境では志望者が減り、ますます人手不足となるでしょう。
以上、バス車内を撮影しているドライブレコーダーについてお伝えしました。