バス運転手がよくされる質問
都内で路線バス運転手としてのキャリアが14年目を迎える現役バス運転手です。
このページではバス運転手がよくされる質問について紹介します。
バス運転手を目指す人に現状を知ってもらおうと思って書きます。
また、日本の接客業のあり方について問題提起もしたいです。
なので、接客業をしている方にも読んでもらいたいです。
バス運転手がよくされる質問はこんな感じです。
- 病院行く?
- 郵便局行く?
- コンビニのところ止まる?
- このバスって私ん家いくの?
本当ですよ。
ウケ狙ってないですよ。
ちなみにこういう質問してくるのは全員シラフです。酔っ払いではありません。
さらに年寄りばかりと思いきや、現役世代も結構こういう質問してきます。
他にもスーパー銭湯がある路線だと、開口一番「お風呂屋さん!」とか。
「ほら。あそこ・・・え~と、あれなんだけど。あそこ。行くの?」とか。
1路線しか走っていないバス停でも「○○駅行く?」って毎回聞くバァさんもいますよ。

これって聞きたいんじゃなくて話し相手が欲しいだけでしょ。
「接客態度が悪い」との苦情の原因になる
こういう質問って答えようないですよね。
病院だって病院の名前が分からないと答えようがないし。
大きい病院ならわかっても小さなクリニックなら知らないし。
コンビニだって日本に何万件もあるし。
郵便局も同様に。
「私ん家」って・・・あなたはどこの大御所ですか?
こういう質問してくる人って自分の期待している答えが返ってこないと「バス運転手のくせに知らねえのか!」とキレます。
十中八九キレます。
「接客態度が悪い」、「不親切だ」、「この人教えてくれない!」といった苦情に直結します。
ちなみにバスの運転手はタクシーみたいに地理検定を受けないし、毎日同じ道しか走らないので地理には疎いです。
バス通りから見える程度の建物しか知りません。
「他人のせい文化」のせい?
「他人のせい文化」って勝手に名付けましたけど。
最近って自己責任の考え方が少ない気がします。
どうにかして他人のせいにしてやろうってアラ捜ししたり。
客と事業者の関係だとなおさらですよね。
こっちは客なんだから、金払ってやってんだから何とかしろよ、的な。
客の立場であってもある程度は自己責任って必要だと思います。
物やサービスの対価としてお金を払って交換しているんですから、本来は対等の立場であるはずです。
それなのに自己責任を放棄して相手のせいにするって違和感がありますけどね。
企業としては事後になって責任を追及されないように予防線を張ろうとして規約などが長い文章になっていく、という現状でしょうか。
日本人はサービス中毒と言われて
かつて、日本人はサービス中毒と言われていました。
日本にはチップを払う習慣がありません。
高いレストランに行けば「サービス料」が明細に入っていたりとかするんですけど。
普通のお店ならサービスはタダですよね。
マックで「スマイル¥0」ってありますけど、サービスも¥0なんですよ。
おまけに過剰サービスまで要求するし、値引きまで要求する。
自分一人だけ特別扱いをされたがる。
一度だけ特別ってやっちゃうと毎回当たり前だと思われて次回も要求される。
断られると怒る。
こんなのも無料でサービスされて当然って思っているから起こることなんですよ。
接客スタッフにだって人件費は必要です。
余計な手間をかけさせたんだからお礼ぐらいは言ってもいいですよね。
働いている人間を奴隷とでも思っているのでしょうか。
バスもそうです。
バス停からバス停までの移動のために運賃を払っているんです。
最寄りのバス停を聞くくらいなら許容範囲ですけど、降りた後のことまで詳細に尋ねられたうえに世間話まで始めちゃうって、所要時間の範囲内で運行してるんだから勘弁してほしいです。
ここまで行くと親切の度合いってレベルじゃないですよ。
そんなにサービスを求めるなら高額料金の業者を利用したまえ。
おもてなし文化か?
日本にはおもてなし文化がありますね。
「OMOTENASHI」なんて横文字にもなってますけど。
これって日本人はシャイなのでやってほしいことがあっても口に出せない。
それなら先読みして頼まれる前にやってあげる、ってことから発展したのでしょうか?
だからと言って特定の客にだけ過剰サービスを提供して他の客への通常サービスがおろそかになってはならない、と思います。
バスの場合は客と一緒に地図を見て案内している間にたださえ少ない所要時間がどんどん過ぎていく、っていうケースがあります。
他のお客さんの時間を奪う形になっても、たった一件の苦情を防ぐためにいつまでも案内をするべきなのでしょうか?
それが「おもてなし」なのでしょうか?
私の意見としては全員平等で特別扱いはしない、が正解だと思いますけど。
接客業にとっては答えのない、難しい課題だと思いますね。
以上、バス運転手がよくされる質問をテーマに「他人のせい文化」について考えました。
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