路線バスへの緊急停止ボタン搭載で増える心配事

バス運転手の日常
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緊急停止ボタンがバスに搭載される

ここ最近になってバス運転手の体調不良が原因の重大事故が増えていますね。

これに備えたバスの緊急停止ボタンの設置が増えています。

今回はこの緊急停止ボタンについての解説をします。

筆者は都内で路線バス運転手としてのキャリアが14年目を迎える現役バス運転手です。

このバスの緊急停止ボタンとはどこに設置してあるのかというと

  • バスの運転手自身が体調不良を自覚した場合に押せるように運転席に設置してある
  • 乗客が、バス運転手が意識不明などで異常な走行をしていたら押せるように客席に設置してある

大きく分けるとこの2か所です。

下の画像はいすゞ自動車さんのHPから引用しました。

路線バスの客席用非常停止ボタン
客席ボタン拡大図
運転席の非常停止ボタン
運転席の非常停止ボタン拡大

以上の画像はいすゞ自動車さんのHPから引用しました。

画像は路線バス用のものですが、観光バスの場合は客席に複数のボタンがついているものもあります。

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バスの非常停止ボタンを押すとどうなるか

バスの非常停止ボタンを押すとどうなるのでしょうか。

バスメーカーによって多少詳細は違いますが基本的には

  • バス車内に「急ブレーキがかかる」との警報が鳴る
  • 自動的に弱めのブレーキがかかり始める
  • 車外ではストップランプが点灯・点滅する
  • 弱めのブレーキが数秒続いたのち、今度は急ブレーキがかかる
  • クラクションが自動で鳴り続ける
  • 完全に停止する

こんな感じですね。

初めは弱めのブレーキがかかるのはなぜかというと車内事故や追突事故を防ぐためにこうなっているんですね。

また、運転席の非常停止ボタンには誤作動時に備えた解除スイッチもついています。

客席のボタンが押された場合は、数秒以内に運転席で解除スイッチを操作すれば急ブレーキはかかりません。

まぁ、個人的な意見を言わせてもらうとバスの場合は止まれば安全ってわけじゃないですよね。

後続車からの追突もあるし、路肩に寄って止まるってわけじゃないから止まった後に客が安全に降りられるかも問題だし。

ただ止まれば一件落着とはいかないですよ。

この辺が今後の課題と言えそうですね。

なぜ非常停止ボタンをバスにつけるのか

最近になって非常停止ボタンを搭載したバスが増えています。

平成28年1月15日に起きた軽井沢スキーバス転落事故が大きなきっかけになったことは間違いないですね。

ウィキペディアにも載っているほどの有名事故になりました。

バスの運転手が無理をして重大事故を起こす、こういったことが大きく世間からの注目を浴びるようになった事故ですね。

このころからバス運転手の体調管理、労務管理が厳しくなりました。

私の勤務先でも勤務に対してうるさくなり、「ちょっとマズいけど、まぁいいか」みたいなことはやらなくなりましたね。

(最近はまた緩くなってきましたが・・・)

バス運転手は体調不良を言い出せない

バス運転手は勤務中に体調不良を感じても「具合が悪い」ってなかなか言いだせないんですよ。

言っても「人がいないから頑張ってくれ」とか「自己管理がなってない」とか言われて休ませてもらえないし、同僚に代わりに乗務させることになるので迷惑かけるの嫌だし。

特に会社からは「ダイヤに穴開けたらただじゃ済まないよ、本当に休むのか?」とか言われるので体調不良でも言い出せないんですよ。

人手に余裕があれば代わりも見つかりやすいんですけど、この人手不足の状況じゃなかなか代わりいないし。

大手のバス会社でも「定員からマイナス100人」ってものもザラですよ。

(私の職場もです)

こんな状況じゃ無理させるのが当たり前。

体育会系の部活並みに、「根性で乗れ!」って感じです。

でも今度からは自分で非常停止ボタン押しちゃおうかなぁ、って思っています。

でも押すと「なんで押したんだ?その前に自己申告しろよ」とか言われて処分を受けるんでしょうね。

結局はバス運転手が無理せざるを得ない状況は変わらないでしょう。

バス運転手の体調不良が原因での事故って結果論です。

起きて初めて、無理させてたって分かる。

未然に防ぐために休んでも、怠慢だとかサボりだとかってことになります。

路線バスの緊急停止ボタンはイタズラで押されるケースが心配

非常停止ボタンをイタズラで押されるケースも多くなるはずです。

高速バスの場合はそんなにいないかな、と思うんですが、路線バスの場合は結構押されそうだな、と思います。

この辺はあくまで個人的な予測ですけど。

高速バスの場合は運賃も高いし、目的があって乗っている人が多いのでイタズラで押す人はそうはいないはずです。

高速道路上では止まったほうが危ないって普通の人なら分かっていますからね。

路線バスの場合は押されそうですね。

子供も多いし。

「押してみたい」って思うでしょう。

降車ボタンじゃねえんだぞ。

子供以外にも「DQN」な奴とか。

DQNってバス好きがおおいので押してみたいって多いんじゃないかな?

押されても許してあげてってなるんだろうし。

これに備えて運転席には解除ボタンがあるんですけど。

「誤作動防止」ってことにはなっていますが「イタズラ防止」の側面もあると思います。

さらに、非常ボタンを押されて「お前が下を向いてるから寝てるように見えたんだ」とかいいがかりつけられたり。

これってイタズラじゃなく世間的には善意の行為になるんでしょうね。

路線バスの安全には非常ボタンより人手不足の解消が必要

こういったことを考えると路線バスには非常ボタンなんか必要ありませんよ。

路線バスには非常停止ボタンよりも人手不足の解消のほうが安全に役立つと思いますが。

金で簡単に解決できるほうを選んだって感じがしますね。

自分の乗務中に押されなきゃいいなって思っていますけど。

今回は以上です。

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