バス運転手はサービス業なのか?

バス運転手の接客態度に対する苦情は常に多数寄せられます。
言葉使いはタメグチまたは乱暴、運転は荒い、クラクションをやたら鳴らす・・・こういったご意見は絶えません。
そもそもバスの運転手はなぜこんなにも接客態度が悪いのか?サービス業ではないのか?こんな態度でやっててクビにならないのか?
苦情を入れている側も不思議に思う事でしょう。
私自身運転手なのでまずは運転手側の意見を聞いてもらいたいと思います。

バスの運転手はなぜこんなにも接客態度が悪いのか?

バスの運転手に対する苦情の大半はバスの遅れに関するものです。「遅い」、「何分のバスだ?このバカヤロー」、「遅れた原因を説明しろ」などは言われない日はありません。
これらは運転手からすれば「俺のせいじゃない」としか思えません。何回言われても「渋滞に決まってんだろ」と思っています。なのでバスの運転手は基本的に自分が悪くないことで怒られることに慣れきっています。
そのまま聞き流せる人は「ハイハイ」って感じ、怒っちゃう人は怒ってばっかり。こんな人ばかりなので接客態度は悪いのです。
また、バス会社はどうかというとバスの運行上のトラブルは大半がヒューマンエラーとして処理できるものです。
交通事故をはじめとして誤運行(経路間違えや時間の間違い)や接客トラブルなど。つまりバス会社は「運転手のせいにしとけばいいや」という姿勢です。だからいつまでたっても改善しません。
現場も会社もこんな程度なので多少の苦情じゃびくともしません。接客態度が悪い程度の苦情で運転手をクビにしていたら毎日何人もクビにしなくてはなりません。
これがバスの運転手が接客態度が悪くても務まる理由です。

会社によっては接客態度重視のバス会社もあります

実際には少数派ながら接客態度を重視し、サービス業として頑張っている会社もあります。
バス事業者を取り締まる法律にこんな面倒な取り決めがあります。
氏名や連絡先を明らかにした上で苦情の申し出があった場合、バス事業者は具体的な改善案の提示、実施をしなくてはならない。
この法律の存在により、バス会社の社内では苦情一件一件に対してきちんと対応しています。ですが前述の通り、「運転手のせいにしとけばいいや」となります。
なので客から「あの運転手は態度が悪い、目つきが悪い」などという電話が入ったら客の自宅まで土下座をしに行き、上司に怒鳴られ、始末書を書く、または辞職を迫られます。
こんな内容の苦情ならいくらでも言いがかりをつけることができます。「素行の悪い運転手を排除する」と言う改善を実施したとする会社が多いです。
ここからはバス運転手が直面することになる客からの理不尽な苦情を題材にし、犠牲にされる運転手の姿をお伝えします。

苦情に対する改善とは

苦情に対して会社が使うお決まりの手段がいわゆる日勤教育です。運転手のせいにして怒鳴りつけ、教育をして改善したことにします。
バスが遅れているという苦情には過密ダイヤや渋滞が原因であっても運転手がその場で謝らない、接客態度が悪い。
排気ガスが臭いとの苦情があれば整備不良が原因であってもアクセルのふかしすぎ、アイドリングストップをしなかったと言われます。
あくまで悪いのは運転手。この姿勢を絶対貫き通します。
会社からすればこの方法はお金も掛からず、売り上げ低下の責任を運転手に転嫁できるので便利です。「お前みたいな運転手がいるから客が乗らなくなるんだ」は常套文句です。
客がこれで納得しなかった場合は住所を聞き、家まで土下座をしに行かされることもあります。客の自宅では床に頭をつけたまま罵詈雑言を浴びせられ、会社に帰れば上司から怒鳴られながら始末書を書かされる。この悔しさは言葉では言い表せません。
こういったことになる場合、相手はたいていが愉快犯の常習クレーマーです。しかも毎日利用しているいわばお得意さんです。その後もしょっちゅう顔を合わせることになります。
近年バス業界の不祥事が相次いで報道され、ますます厳しい目で見られています。乗客の中には「運転手の尻尾をつかんでネットにあげてやる、俺が暴いてやる」のようなジャーナリストもどきがたくさんいます。スマホカメラで撮影もしょっちゅうされます。
このような世間の厳しさにさらされながら毎日常務をしているんです。

バス運転手の立場として理解を求めたい

このページを書いた目的として理解を求めたいというものがあります。
乗客として苦情を入れている方も読まれていると思います。「しょうがないでしょ」というしかない苦情が大半です。納得はしてもらえないと思いますが、きつく言えば言うほど運転手も反発する状況で負のスパイラル状態です。
バスの運転手も人間なんだから、と理解してもらえるとありがたいです。
もし、バスの運転手を志している方が読んでいるのであれば、バスの運転手ってただ車を運転しているだけなので楽そうだな、と思っているなら大間違いです。

 

以上、バスの運転手の接客態度についてお伝えしました。

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