バス運転手の過酷な労働について

最近はバスの事故があると、大きく取り上げられるようになり、バス運転手の過酷な労働に関する問題が指摘されています。

大きな事故がバス会社を逼迫させている

特に2012年4月に発生した、関越自動車道での運転手による居眠り運転による事故では死者7名、乗客乗員の39人が重軽傷をおいました。
この事故から翌年7月には高速バスツアーの形態をとるバス運行は廃止され、全て新高速乗合バスに移行し。
さらに交代運転者の配置基準の改正や、貸切バスについての新料金制度の施行、そして乗合・貸切バスについての運行制度を強化し、対策を練ってきました。
バス会社にとって、新しいルールが適用されることに設備投資が発生することにより、バス会社の経営を逼迫させることになります。
もちろん、安全に代わるものはないため、これらの設備投資をせざるを得ないのですが、このような取り組み自体も生かされず、大きな事故が発生しました。
それが、2016年1月に発生した軽井沢スキーバス転落事故です。

バス会社の安全性を公表

2016年1月に発生した軽井沢スキーバス転落事故では、大学生など死者15名、負傷者26名と、大変痛ましい事故が発生し、改めてバス運転手の過酷な労働の課題が浮き彫りになりました。
国土交通省では全ての貸切バス事業者を対象に保有車両や運転者の情報を把握し、貸切バスを利用する一般のお客様や旅行を主催する旅行業者に対し、貸切バス事業者の安全性に関する情報をホームページで公表するようになりました。
このホームページに公開されている情報は、2018年1月に公表した貸切バス事業者安全性評価認定情報に加え、2017年11月に発表された、行政処分されたバス事業者の情報も掲載されています。
営業所がある都道府県ごとに情報がExcel形式で記載され、選別されていますので、手軽に検索することができます。

バス会社の労働条件は数十年来変わっていない

このような安全対策をしている状況においても、バス運転手の労働条件は改善されておらず、数十年来変わっていないという話も聞きます。
例えば、運転手の賃金水準は低く、若手は他の業種へと進む一方、運転手の高齢化や、高齢化に伴うドライバーの退職により、長時間勤務や休日出勤は当たり前の状態です。
そしてこのような超過勤務や休日労働をしなければ、運転手の生活も苦しい状況という、悪循環に陥っています。
バス会社においても、待遇面で整っている大手バス会社においては、労働条件が改善されてきています。
一方で、中堅や小規模のバス会社では、ダイヤ改正ごとにバスを減便し、バスの運転手の不足要員を補っているのが実情です。
また、バスの減便をすることにより、利用するお客様の数も減るのですが、そもそもバスの運転手が不足している状況では、その現状を維持することできず、やむを得ない状態です。

新しいコラボと技術革新の取り組み

このような悪循環の状態を打開すべく、今検討されているのがバス事業者と運送業者のコラボ、およびバスの自動運転です。
バス会社と運送事業者との連携については、いずれも運転手不足という悩みを抱えている状況で、バスに宅配に荷物を積み、バスを使って輸送を行うという商流で、実際にこの連携は始まっています。
また、バスの自動運転については、バス会社にとっては大きな夢のもので、これが実現すれば、バス会社の経営手法が大きく変わってくるものとして期待されています。
すでに、実際のバスを使って自動運転の実証実験も行われており、バスの自動運転の現実味も含んできつつあります。
このように、各異業種との連携や自動運転といった新しい技術を活用されることにより、バス運転手の過酷な労働条件が解消される日が近づいてきています。